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「曲りと腐りと凹み」 |
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このAA27型ヂャイアント・コニーにはエンジン始動用のスターターモーターが装備されているのだが、なんか初めて見る構造。
一般的なマグネットスイッチでピニオンギヤを押し出すのでは無く、人間の手でレバーを倒してピニオンギヤを押し出してやるタイプ。
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一般的な電磁石を使った構造 |
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レバーを手動で倒して押し出す構造 |
錆を落として折れていたスプリングを直してから組付けたのだが、なぜかレバー先端が前方へ“お辞儀”してしまい使えない位置となる。
何かがおかしい、慌てて倉庫へ走って探し出した図面を見るとL字形となっているレバーは変形していることが判明、真っ直ぐなのが正解か。
どうやらスプリングが折れてレバーが戻らなくなった時にL字形に曲げて、無理な使い方をしていたみたい。
じゃあ直してしまえと、万力で挟んでハンマーで叩いて矯正完了。
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スターティングレバーの構成部品を
組付けると、なぜか使えない位置に |
図面を見てみると、曲がってるじゃん! |
図面通りのレバー形状に矯正 |
元の形に戻ったレバーだがこのままだと取付部で回転してしまう、何か回り止めがあるはずと構造を調べ直すと半月キーがあったみたい。
レバーを曲げて無理に動かす改造をした時に邪魔となった半月キーを取り除いてしまったんだろうね、じゃあ新しく作ってしまえ。
これも図面が出てきたのですぐ取り掛かろうとしたのだが、4㎜の鉄板なんて都合良く持っているわけが無い。
待てよ、φ13か・・・。部室に転がっていた日産純正車載工具のホイールレンチ握り部径を測ってみると偶然の一致、これを使ってしまえと
先端をちょっと拝借、輪切りしてから厚さを合わせ半月形状に削って完成。
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紛失していた半月キー、材料はどうする |
ホイールレンチから切り出しました |
本来はレバーが垂直に立っていたんだ |
あとシャシー関連の大物で残っているのは排気系の部品、錆による穴が目立つマフラーはグズグズな部分に苦戦しそうかも。
簡単そうな所からやっつけようと鉄板で作ったパッチを溶接してみたのだが、どうにも思ったようには塞がってくれない。
溶接技術が拙いから仕方ないのだが、やはりこんなんじゃ納得できないんだよね。
えーい、パッチは諦めて方針転換。全体を作り直してしまえと本体部分の鉄板を全て張り直してしまいました。
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下側の水が溜まる位置には錆での大穴 |
簡単そうな所へパッチを溶接してみたが |
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数回の遣り直しでも仕上りに満足できず |
全体を張り直し耐熱塗装で満足な仕上りに |
エキゾーストパイプも錆を落として折れた部分はカットして作り直し、穴空き部はパッチで補修。
これで排気漏れを起こしませんように。
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途中で折れているし、穴も空いています |
折れた部分はカットしてパイプを継ぎ足し |
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穴空き部はパッチを溶接 |
こいつも耐熱塗装で仕上げ |
最後に残った大物は燃料タンク、錆を除去し塗装しようとしたのだが、どうしても
地面と当たったと思われる下面の凹みが気になる。
僅かだし見え難い場所だし黒く塗っちゃうし、でもこのままにしておくのも気になるから直したい。
ただ袋形状を内側から叩き出す技術なんて無いから、どうしようか考え込んだ挙句に
パテ修正して見栄えを良くしてあげる事にした。
僅かな凹みだったがパテを盛り始めると欲が出てパテ範囲がどんどん拡がってしまった。
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磨くだけで良さそうに見えたが下面に凹み |
見栄え対策を施そうとパテで補修 |
黒く塗装したら凹みの痕跡も消えてくれた |
細かい部品が数点残っているが、これでシャシー部分はほぼ完成かな。磨いたハーネスを仮に組付けた状態で記録撮影しておこう。
まだ先は長いが、ここまでくると一段落という感じか。
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ほぼ完成したシャシー |
磨いた製造プレートをリペッド留め |
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次回へ続く。