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「エンジン分解に着手」 |
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補機類も外し終わったので、エンジン本体に取り掛かろうか。
エンジンオイルを抜くためにドレーンボルトを緩めようとしたが、ボルトの頭が潰れていて
メガネレンチは掛からず。
どうせ交換するのだからとモンキーレンチを掛けて、えいや!
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ドロドロドロと出てきたエンジンオイル、少しだけカフェオレ色が混じっていたが。 |
分解手順は部品構成を参考にしようとパーツカタログを見てみると、エンジンはクランクケースに
フロントカバーとバックカバー、トップカバーが組まれた構成になっているのが解った。
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水平対向エンジンだから、クランクケースの両サイドにはそれぞれ1気筒づつシリンダーがあるけどね。 |
大物であるクランクケース・フロントカバーから手掛けようと思ったのだが、
破損させたくないクラッチ部分を先に外しておこうかな。
ああ、こいつも古い車のお約束でフライホイールへの取付けにマイナスネジが使われている。
嫌だなあ、ネジ山を潰しそうで。
こんな時には定番の秘密兵器(?)登場、万能のインパクトドライバー様。
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フライホイールとクラッチディスクはこんな構造。
マイナスネジって締付トルクを管理できるのか? |
ドカン!と叩けば緩めは完了 |
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クラッチディスクの状態、摩擦材は残量が十分で安堵。
当時は摩擦材を張替えて再使用していたそうな。 |
ついでにフライホイールを外しちゃうか、締付けナットは・・・41mm幅じゃん!
こんなでっかいソケットは持ってないよ。
でも購入したくないから、どこかで借りる事にしてそれまでは保留にしておこう。
外部オイルパイプを外して、空冷用のファンをクランクシャフト先端よりプーラで抜き取ってから
クランクケース・フロントカバーを分離。
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シュラウドを兼ねたアルミ鋳造のフロントカバー |
エンジンの中身が見えた! |
クランクケース内は、バルブ開閉用のカムがエンジン下部にあってクランクシャフトがその上にレイアウトされている。
ん?クランクシャフトが上???
カムを駆動する樹脂ギヤが邪魔でよく見えないが本当なのか確かめようと、
またまた倉庫へ出向いて断面図を掘り出してきた。
「やっぱり上かい、理解できん」とエンジン設計者。
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重いクランクシャフトが上にあると重心が上がっちゃうから不利になるのだが。
水平対向で元々が低重心だから問題視されなかったのかも。 |
謎は放置しておいて、エンジンをひっくり返して裏側を見てみた。あらら、オイルパンがベコベコになってる。
ここは最低地上高部分となるから“地球”が何度もぶつかってきたんだろう、
中身が内側から突き上げて凸形状の打痕。
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痛々しいねえ、昔は未舗装の悪路だったから仕方無いか。
破れていないのは想定されていた程度だったということか? |
コルクっぽいガスケットを破壊しながらエンジン本体からオイルパンを引き剥がし、油泥除去して凸凹修正。
ついでに磨き甲斐がありそうなシリンダーヘッド・カバーも外して綺麗に仕上げておこう。
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ドレーン付近の形状出しが難儀だった |
エアブラストだけでは、ちょっと輝きが鈍いか |
クランクケースからトップカバーを取外して、エアブラストとプラサフ塗装。
油泥を掻き落としたクランクケースからは、埋まっていた文字が浮び上がってきた。うーん、カッコ良い。
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アッパーカバーは錆取りとプラサフ塗装 |
“giant”の浮き文字、良いですね。 |
さて41mm幅ソケットレンチの件、幸運にも工具を貸してくれるところが見つかった。
ナットを取外してから、そのままフライホイールを手で引張って抜こうとしたが抜けず。
当り前か、断面図ではテーパでの圧入になってるもんね。
そこでプーラをフライホイールに掛けてそのまま締込んで抜こうとしたのだが、大変なことになってしまった。
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ごっついレンチ、41mm幅です |
この後、大変なことが起こるのであるが |
ええっ、何で?フライホイールは抜けずに、外側のリングギヤだけが抜けてしまった!
リングギヤだけが抜けるはずは無いと思い込んでいた、
だってこれって一体物か溶接してあるんじゃないのか。
真っ青になってパーツカタログを見ると確かに別部品となっている、じゃあ焼嵌めでもしてあったのか?
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焼嵌めだとリングギヤを炙って延ばしておき、
その内側へフライホイールを挿入しなおさないといけない。
まずい、非常にマズい! |
どうしよう、焼嵌めだったら元に戻すのが大変。焦って、焦って、リングギヤを慌てて挿入したところ、
あっさり復元してしまった。
なんで戻るの?ただの圧入だったのか???
(非常に焦っていたので、リングギヤが外れた写真を撮っていません)
ただの圧入だったのに救われてホッとしたけど、フライホイールをどうやって抜くのかの難問は残っている。
フライホイールにはリングギヤ以外にプーラの爪を掛ける場所が無い形状なんだよね、さてどうする。
暫くフライホイールと睨めっこしていて、サイド部に穴が空いているのに気が付いた。
この穴に何かを引っ掛けて、引っ張ってやれば良いじゃん。さて、何か使える物は・・・、あ!
部室の壁で良い物を見付けた、こいつを使ってスペシャルツールを作ってしまえ。
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休止設備のエア配管を固定しているU字ボルト |
アングル材を加工しスペシャルツール完成 |
フライホイールにこのスペシャルツールを引っ掛けてプーラで引っ張り、取外しに成功。
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こうやって使いました |
見事に成功! |
だいたいテーパ嵌合は苦手なんだよね、プーラの爪で部品を割ってしまう心配が常にあるし
プーラで外す時に“バキン!”という大きな金属音がするからいつも「壊してしまったかも」と冷や汗が出るし。
でも外れてくれたので安堵。
これでU字ボルトはお役目御免、もちろんエア配管へ元通りに戻しておきました。
ところで、車を貰ってきた時に助手席辺りにぶら下がっていた黒い塊だけど、その後の調べで
エンジンのオイルプレッシャー・ゲージと判明し折れていた場所も判ったのだが(第6回参照)、
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謎の黒い塊 |
油泥を取り除いた状態 |
こいつを何とか直せないものかと頭の隅にあったので、気分転換で分解してみる事にした。
別にオリジナル部品への“こだわり”は無いんだけど、全て分解して中身を見てみたかったからね。
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カバーを剥して中身を取出し |
更にハンダを剥してバラバラに |
なるほど、圧で薄板を押し上げると接点位置が移動する構造になってたんだ、納得。
探し出した図面によると折れたネジ部は「P/T:1/8」で11mmの長さだそうな。
テーパーネジだとなると、そんなネジ山を切れるダイスがあるのかホームセンターで調べてみなくては。
バラして、見て、考えて、相談したんだけど、結局はオリジナル部品の再生を諦めることになった。
なんせ一体物のネジ部の真ん中で破断しているのだから、削り出しで作らないとならないけど
形だけが復元しても機能が正常に作動するかは疑問。
そもそも油圧センサーなんて既製品が数百円で手に入る代物、時間と労力を掛けて怪しい物を作るより
もっと他にやるべき事があるでしょ、って忠告もあったしね。
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というわけで、まだまだやる事いっぱい!