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「全国区になっちゃった」



ボディーの修復には悪戦苦闘、トライ&エラーの繰り返しでなかなか進まない。
お助けだったはずのプロ集団の負荷は大きくなるばかり。
プロ集団の本業は、図面だけからピカピカの新車を手作業で作り上げてしまう事、
削るほどに錆で穴が広がるポンコツの再生は勝手が違う。
しかしさすがは「プロの職人」、腐ったところはばっさり切り落とし、
新しく手叩きで成形した鉄板を溶接してしまう。
仕上がってしまうとどこが古い部分なのかもう判らない、あっという間にボディ各部が新車になっていくのだ。
イタリアのカロッツェリア(カスタムカービルダー)と同じ職人芸をここまでやってもらったコニーは、
愛知のこの1台だけであろう。
でもかかった費用は払えません、みんなボランティアです、試作のプロの皆さん、本当にありがとう。

ドア下端の袋状のところも、この通り。


そんな再生作業中の我々へ、「復元作業の取材をさせて欲しい」との申し入れがあったのだ。
依頼主は、日産労連の組合誌「ゆうライフ」から。
「ゆうライフ」は日産労連へ加盟している企業の従業員に、毎月配布されている小冊子。
日産自動車や協力部品メーカだけではなく販売ディーラーや輸送会社等、全国の関連会社の人達に
読まれるのだ。
この活動も、とうとう全国区に!

どうやら特集記事として掲載されるらしく、わざわざ東京から取材にきてくれた。
当日は、業務時間中を避けた昼休みに作業場へ集合。
記者の質問にメンバーが、苦労した(している?)エピソードを含めて受け答え。
そして一月後、この様に掲載されました。



さすが全国区の「ゆうライフ」、全国から反響がきた!
札幌の販売会社からは、
「我々の販社には、昔のコニー販売(※)時代のメンバーがまだ20人も残っています。
ゆうライフの記事を見て、あまりに懐かしくて電話しました。あのころはグッピーとか
楽しいクルマがあって、夢がありました。
昔の愛知の技術遺産が復元されるのは嬉しいことです。頑張って下さい。」
(※愛知機械工業が日産自動車の傘下企業となった時、全国のコニー販売会社も
殆どが日産の販売会社=日産チェリー販売となった)
その他、東京や京都の販売会社、日産系大手部品会社等の方々からも電話や手紙、
資料まで頂きました。

そしてそして、「ゆうライフ」からは取材のお礼として、コニーに塗る塗料代を貰っちゃった!
よーし、これでコニーちゃんを昔出荷されたオリジナル色のブルーに塗ってあげるぞ。



皆さんからの応援を背に、次回へ続く。

No.22
「フロント部」
No.24
「ドアとFRフード」