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 決 意 !


エンジン周りの部品を次々にバラしてお掃除。

・キャブレター
  ツインフロート・キャブは、整備要領書には何故か載ってない。
  えーい、とフロート室を開けて全ての部品をバラす。
  キャブクリーナ漬けにしてしまえ。
  やばい、スロー・ジェットの元の位置を忘れてしまったぞ。
・ディストリビュータ
  キャップを開けると、昔懐かしいコンタクトポイントが。
  溜まったカーボンを除去して、端子の損傷をチェック。
  コンデンサーは大丈夫かな?
・オイル・ポンプ
  洗浄したら、新品同様に。
  光り輝く機械加工のロータリーポンプが顔を覗かせた。
  こいつがドライサンプの生命線。
  再組立ては、難航。 ドリブン・ギヤが、は 入らない!
・フュエール・ポンプ
  今では殆どの車が電磁ポンプ式だけど、こいつは機械式。
  ロッカー・アームを押すと、中でダイヤフラムがポコポコ動く。
  これで燃料を押し出すのか。
・スターターモーター
  今の車と変わらぬマグネットを使ったスターター。
  モーター本体は分解せず、マグネットでの可動部分をお掃除。
  バッテリーを繋いで、マグネットの作動とモーターの回転は確認。
・クラッチ・レリース・ベアリング
  再使用できそうなので、邪道だけど中のグリス交換にトライ。
  シールを外して古いグリスを掻き出して、入替え完了。

と ここまで作業が進んだところで、お手伝いをしていた人からある提案が。
「絶対に、走れるようにしようよ!」
まだ手を付けてない部分はあるが、一通りシャシーの状況を見て
再走行も夢じゃないと皆が思い始めたのであった。

これを聞いて、発起人氏は困った。
拾ってきた当初は、見えるところの色を塗っておしまいにするつもりだった。
でもメカの面白さに釣られて、勉強がてら分解。
ついでにお掃除もしちゃえ、てな軽い気持ちだったのさ。
動態復元なんて、たいへん!部品が無いなんて言い訳は通用しないぞ。
しかし「動かないクルマは自動車じゃない」等の意見に発起人氏は渋々承諾。

復元作業者一同は、「絶対に走らせるぞ!」との決意を胸に作業を続けるのであった。



つづく。

No.12
エンジン&ミッション
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リア・アクスル