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「降って湧いた驚きの依頼」 |
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錆で穴だらけになった床と格闘し始めた頃、一通のメールが届いたのであった。
発信元はトヨタ博物館の学芸員さん、そういえば以前からお世話になっていたっけ。
メールの内容は、「半年後の企画展テーマはレストアを予定しています、そこへコニーを展示してもらえないでしょうか」
ええっ、まさかトヨタ博物館で展示できるなんて!
驚くと同時に絶対に実現させるぞと思ってはみたものの、さあ何をどう展示するのかと考え込んでしまった。
それと博物館とは言えトヨタ自動車の施設なので、会社側の了解も得なければ。
取り敢えず会社側からは全面的な支援を受けられる事となったので学芸員さんへ承諾連絡、あとは展示方法の調整ですな。
数週間後に打合せのため学芸員さんが来社、部室内を案内しクラブ員を紹介してから展示の調整となった。
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部室で学芸員さんと打合せ中 |
よし、事前にクラブ員と話し合って決めていた展示案を思い切って提案してみるか。
完成車展示では無く、レストア途中の車をバラバラ状態で見てもらうのは如何でしょうか?
幸いにも学芸員さんの了解を得られたから、展示車両はレストア中のAA27でとなった。
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ボディはこんな状態です |
シャシーはフロア部分を補修中ですが |
さあ車両引渡しまであと3ヶ月しか無い、早急に見せられる状態にしなければ。
ボディは何も手を付けず車の形に並べてで展示できるが、シャシーはバラしたままだし汚れた部品もあって
このままじゃ見られたもんじゃない、床板を修復した上でフロント廻りの部品を戻してやらないと。
急げ、急げ!
床板を完成させたシャシーに操向装置や前輪廻りを修復してから元通りに組付けなければ。
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前輪の懸架部品をバラしてあげよう |
圧入されているBUSHが偏摩耗していた |
BUSH図面を探して社内のプロへ依頼 |
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作ってもらったBUSHをプレスで圧入 |
ロッカーアームを元の形状へ戻せた |
ピストン部分を組付けて完成 |
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フロントホイールハブは機能に問題無しなので磨くだけ |
前輪廻りのサブASSY完、重いです |
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操舵装置のドラッグパイプも分解整備してから塗装 |
シャシーへ操舵装置を組付け完了 |
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時間切れで磨いただけのフロントホイール |
これで前輪廻りも完成 |
フロアにはペダル類を取付け |
修復と並行して博物館との調整は続き、搬出日程や搬送方法の擦り合わせから、HP「レストア物語」のデータ渡し、
展示用の架台をCADで作図し送信、AA27外観写真やクラブ員の画像、車両データ送付や展示説明文の作成等を行った。
そして企画展開催の1週間前になり、展示車両を引取りに学芸員さんとトラックが来社したのであった。
博物館に用意してもらった架台へAA27のボディを固定しパレットに載せてフォークリフトで移動、
荷台は台車に載せて運び3時間程でトラックへの積込みが完了した。
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展示をイメージし解説のポップを付け |
ボディを架台へ固定中、ん?寸法が… |
フォークリフトで慎重に慎重に搬送 |
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荷台は台車に載せて運んでもらった |
シャシーを積載車へ引っ張り上げ |
これで引渡し完了、ホッとしました |
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実はこの時、ある凄い物を学芸員さんからいただいたのですがそれはまた別途。
次回は、車両展示を行ったトヨタ博物館 企画展「甦れ!クルマたち」について。