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さて我々が救出に持ち込んだ道具は、会社所有の車両運搬車。油圧ローダーで、荷台部分がスライド昇降させられる優れ物。コニーを近くまで寄せれば、ウインチを使って楽々積載できる。が、しかし、肝心のコニーは・・・。 長い年月でタイヤは凹み、地面に「お座り」状態。タイヤに空気を入れて立上がらせたものの、押しても引いても動こうとしない。あとは人力に頼るしかない、全員で押しちゃえー。 「あっ!取れちゃった。」 押し所が悪かったのか、右のヘッドライトが脱落。早くも壊してしまったと、青くなる助っ人。だがよく見ると、バネの力で引掛けてあるだけで簡単に外れる構造。焦らせるんじゃないよお、と気を取り直して続行。なんとかそれ以上壊す(?)事も無く、車両運搬車の傍まで押し出した。ウインチを使って車載を完了し、取り敢えず救出は成功。御主人に挨拶をして、現地解散となった。 |
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週が明けた月曜日、コニー360を救出してきた事が昼休みの設計開発部内に社内放送で告げられた。部課長を含めた課員全員が見守る中、車両運搬車の幌が開けられると一同からは
どよめきが。 昔コニーの設計に携わった者、初めてコニーを目にする者、思いはそれぞれか。 そんな中、コニーは車両運搬車から静かに降ろされたのであった。 地上に降ろされた車に群がった見学者達に、発起人は入手した経緯を説明。経緯が解ると皆の関心は、次の一点に集中した。 「で、これをどうするの?」 |
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「(う、困ったぞ。) うーん、まあ泥を落としてペンキを塗って見られる状態にしようと・・・。」 この時点では発起人氏も、まだ漠然とした考えしか持っていなかったのだ。 |
そうこうするうちに昼休みも終わり、主役は動かない後輪の下に台車を噛まされて退場。 せっかく救出してきたけど、どこに置いておこうか。取り敢えず車両を調査する部屋の一角を間借りして、保管させてもらおう。 これにより、数十年ぶりに屋根の下で寝る事ができたコニーちゃんであった。 |
さてさて次回は、いよいよレストア作業開始か!? |
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