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「荒技を実行」



問題が発見された部品は、新作したブレーキパイプの組付け相手であるブレーキホースだった。
「当り前さ、35年前のゴム部品が無事なわけがないから最初に疑ってみるべきだっだね。」
後日になって知恵袋氏から受けたこの指摘、確かに考えてみれば至極当然ですねえ。
そのダメ部品は、これ。

ホース ホース
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さあこいつの代替品も探さなくては、でもピッチ1.25のなんて有るのかな。
手っ取り早くオーナーさんに聞いてみるか、代替部品は何を使ったんですか?
「ちょっとコニーには長いんだけど、マツダの軽トラック部品を使ってるよ。」
おやおや、その軽トラックは数十年前に生産中止になってる型じゃん、
まだ部品が出るのだろうか。ここはメーカのお客様相談室に聞いてみるしかない。
「もしもし、在庫の確認をしたいのですが・・・。」
親切なお客さま相談室の担当者は、古い部品なので調べて折り返し
連絡をすると言ってくれた。
結果は「広島に15本だけ残っていますから、近くのディーラーで
発注して貰えれば良いですよ」。これでなんとか目処が付いたわけだ。

実はもしもピッチ1.25部品がすぐに見付けられなかった場合を考慮し、最近の
車で使ってるピッチ1.0の代替ホースも並行して探していたのさ。
もちろんホースのネジピッチが1.0となるので、ホースに繋がるフロントブレーキチューブも
新作するのを覚悟して。

説明

最初は駐車場に停まってる車の下を覗き込んで合いそうな物を見付けようとしたが
首が痛くなっただけで見付けられずに中止、
日産車のパーツリストで見当を付け、部品販売店へ出向いて在庫のブレーキホースを
見せてもらうことにしたが、どれも短かったりネジ部の形状が合わなくて上手くいかなかった。
諦めかけていた時に、とんでもない荒技を実行してみようかとの提案が出されたのだ。
インターネット・オークションに出品されていた車種不明のブレーキホース、新品なのに2本で僅か1円。
使えるような気がするから落札したいって、本当にそんなもん使えるのかい。
でも、使えれば面白いし失敗しても1円だからマツダの部品を発注する前に試してみようじゃないか。
届いた正体不明の1円ホースは、長さが少しだけ短いが使用するには問題なさそう。

一円

追加で新作したフロントブレーキチューブを4WAYコネクターに組付け、
それに1円ホースを繋いで完成、フルードを入れて試すのが待ち遠しい。

ホース完成

さて最後まで残ったのはマスターシリンダー、専門にオーバーホールしてくれる業者へ
部品を送ってから約1週間が経ち、修復された部品が送り返されてきた。

マスター 中身
ピンク色のアルマイト処理が綺麗 返ってきたオリジナルのピストン

ちょっと待てよ、ピンク色のピストン部にペダル側のプッシュロッドが差し込まれるんだけど
ピストン側の穴がオリジナルの物より20mmぐらい浅いじゃん。
ということは、コニーのプッシュロッドを切断するか、新しく作り直さなければならない。
幸い手持ちに日産車のクラッチ用プッシュロッドが有ったので、そいつを切断して加工。

ブッシュロッド ブッシュロッド
上はコニーの、下は切断加工した日産車用

切断加工したプッシュロッドとマスターシリンダーを車体に組付けて、取付け終了

じゃあブレーキ・フルードを充填してエア抜きをしてみるか、
フルードをタンクに補充する人とブレーキペダルを踏む人、それにエアを抜く人の3人作業。

抜き 補給

ドプドプドプ・・・・、フルードをタンクに足し続けてペダルを踏んでいたんだけど
なぜかホイールシリンダーからエアが出てこない、おまけにペダルの踏み応えは
いつまでもスカスカのまま、なんかマズいんと違う?
そういえばペダルを踏む度にタンク内に大きな気泡が現れるんだけど???
こりゃあピストンがフルードを押し切っておらず、タンク内に逆流しているとしか思えない、
つまりマスターシリンダー内ピストンのシール性がNGということなのか。あーあ、残念。

オーバーホールをした業者へ状況を説明したところ、部品を送り返して下さい
と言われたのであった。それから数週間後、再修理されたマスターシリンダーを
準備したクラブの面々は今日こそ完成させて走らせたいなぁとの希望を胸に
部室へ集合したのである。



さあ、今度こそ!

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