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+ No154 + 「休出で救出?」


横浜遠征のためコニーのオーナーさん達と連絡する機会が増えた発起人氏の元へ、
あるオーナーさんから持ち込まれた怪しい話があった。
「静岡の農家にコニーワイド・トラックが置いてあってね、交渉したら持ち帰って良いと言われたよ。
欲しいのならタダであげると言ってるけど、どう?」
どう、って言われても・・・。
しかし、「もちろん引取ろう!」という発起人氏、早速次週の日曜日に救出を実行することになったのであった。
横浜へ向けて休日返上の休出状態なのに更に救出ですか、まあいいや行きましょう。

日曜日の朝に部室へ集まったクラブ員は、発起人氏の運転するお馴染みのアトラスへ乗り込み、
駿河の国を目指して出発したのであった。
さすが茶処、見渡す限りお茶畑に出迎えられた一行はこの話を持ち込んだ案内人と合流し先方さん宅へ向かった。
あったあった、農家の庭先にある柿の木の下でトタン板を屋根に被せられたその車、
確かにあの顔付きはカタログでしか知らなかったAF11コニーワイドの最終型、おまけに荷台には箱が載っている
珍しいパネルバンだ。

パネルバン
でも、お世辞にも良い状態とは言えないなあ。

オーナーの御隠居さんは当時でも変わったレイアウトのコニーを、「大事に残しておけば、いつか役立つのでは」
と思っておられたそうな。でもこのまま朽ち果てるのは悲しいので、「喜んで差し上げましょう」と。
運び出そうとしても動かないのは里親から離れたくなくて「いやいや」している訳じゃあない、4輪がしっかりロックして
回らないだけだよ、人力で引きずり出しウインチで無理矢理ローダーに引き上げて救出完了、
数時間後には生まれ故郷へ無事御帰還。

人力 積載

しかしこのパネルバンは実に凄い状態であったのだ。凄い状態という表現は控えめ過ぎて、酷い状態、
いや惨い状態と言った方が正しいかもしれないな、だってキャビンの床はグズグズで地面が見えているから
まともに足を置いたら絶対に床が抜けるだろうし、あらゆる鉄の部分が真っ赤で錆錆錆。

床 足元

こんなボッコイの(ポンコツの意)ばかり集めて、どーすんの?!
さすがの発起人氏も、そんな声を聞いたような気がしたのであった。

公開



さて道草ばかりじゃ間に合わない、横浜へ向けて作業を急ごう。

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