レストア物語|RESTORATION STORY

第2弾 「燃料系統とガタ音」


数十年ぶりにエンジンが息を吹き返した AF11、燃料供給をガソリンタンクから行うため燃料系統をチェック。
燃料ポンプはお馴染みのダイヤフラムタイプ、予想通り吸上げてくれないだけでなく燃料ダダ漏れ状態。
分解して取り出したダイヤフラム弁、触るとベタベタしていて「やっぱりねぇ」と苦笑しながら交換作業を開始。
耐油ゴムのシートを円形状に切り出し、慣れた手付きでベタベタの弁との交換を完了。

燃料ポンプは下側からの取外し 数十年経過したゴム曳き布だからねぇ 実はカシメ固定の非分解構造なんです
燃料ポンプは下側からの取外し 数十年経過したゴム曳き布だからねぇ 実はカシメ固定の非分解構造なんです

燃料ポンプとガソリンタンクの間に設けられて燃料ストレーナー、金属部をショットブラストしガラス部をピカールで磨いて組付け。
あらら、ここからも燃料漏れが。ガスケットが硬化して割れていたから、これも耐油ゴムのシート材から切出して作製。

燃料ストレーナーをチェック 漏れの原因は硬化したガスケット 漏れの原因は硬化したガスケット
燃料ストレーナーをチェック 漏れの原因は硬化したガスケット 修理を行ってから元の位置へ組付け

燃料タンク内部は問題無しだったが外部はサビサビ、シャシーから降して汚れと錆を除去後にプラサフ塗って黒色塗装。

上面の汚れを除去したら現れた錆 黒く塗ったら綺麗になりました
上面の汚れを除去したら現れた錆 黒く塗ったら綺麗になりました

タンクからのガソリンでエンジンが始動するようになったAF11、取り敢えずちょっとだけ動かしてみようか。
1速へシフトしてクラッチを繋ぐとあっさり発進、特に異常は感じられなかったからブレーキを直せば問題なく走らせられるのかと。

動かすため部室から押し出しますか 建屋内を超低速で試運転、問題なしですな
動かすため部室から押し出しますか 建屋内を超低速で試運転、問題なしですな

ただ荷台の下からガタガタ音が聞こえてくるのが気になる、何かが外れているんかいな?
気付かなかったがスペアタイヤが欠品していて、固定用のブラケットが遊んでいる音だったのね。
さて何か代用品は無いかと周囲を見回すと…、あった!部屋の隅に置かれていた別のAF11にスペアタイヤが積載されているじゃないですか。

別のAF11から降したスペアタイヤ、 綺麗にするために分解 ホイールは腐食穴多数
別のAF11から降したスペアタイヤ、
これなら使えそうなんで借りちゃいますか
綺麗にするために分解、ツーピース
ホイールなので簡単に分離
ホイールは腐食穴多数、でもタイヤ
チューブを使うからこのままで良いや
錆を除去してプラサフ後に塗装 磨いたタイヤを組付けて完成 これでガタガタ音が解消しました
錆を除去してプラサフ後に塗装 磨いたタイヤを組付けて完成 これでガタガタ音が解消しました

スペアタイヤを抜き取られたAF11は、この後に次々と部品を抜き取る事になってしまったのだ。いわゆる部品取り車ね。
不本意ながらも部品提供に同意(?)してくれた2台を紹介しておきます。

コニーワイドAF11V コニーワイドAF11PV
コニーワイドAF11V
(Vはバンの意)
コニーワイドAF11PV
(PVはパネルバンの意)

さあ次は亡きオーナーさんが駄目と言っていたブレーキへ。
ブレーキと言えばAF7で散々苦労したけど構造は同じだから大丈夫さ、なんて楽観視していたのだが・・・



次回に続く。

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