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+ No.6 + 「分離」


久しぶりに着地したエンジン&ミッションだけど、プラグコードはヨレヨレでビニールテープがグルグル巻きだし、
シリンダーのカウリングは下側が思いっきり凹んでいたりしたのだが、汚れを透かして見える吸気ダクトの
“Cony”やファンダクトの“358CC”、オイルキャップの“AE57”という刻印を見ると嬉しくなっちゃうなあ。

外観はバッチイが内部がどうなってるのだろうかとエンジンのオイルレベルゲージを抜き取ってみると、
ゲージにはオイルが付着。取り敢えずクランクケース内にはオイルが残留してるってことね。
問題のミッションもオイルレベルゲージには黒い液体が付着していたが、
シフトレバーだけでなくアウトプットのドライブシャフトがビクともしないのが気に入らない。早く分解したい!

分解する前に簡単に外観をお掃除、エンジン右側シリンダーを覆っている鉄板のカウリングを取り外してみると
出てきましたねえ、真っ黒な油&泥の堆積層。Max約10mm厚はありそう、スクレーパで掻き落としてやるぜ。

泥 泥々
冷却フィンにはコテコテの油泥 ちょいと突くと、この通り

持ち帰った時から運転席下にぶら下がっていた謎の黒い塊は、パーツリストを読破(?)した結果エンジンの
右シリンダー下側にあるオイルプレッシャー・ゲージだと推測、でも取り付けられていたと思われる付近は
ゴテゴテのオイルでよく判らず。

OPSW oil
なぞの黒い塊、正体判明か?! これがオイルプレッシャー・ゲージ

大雑把に掻き落としたところで、ようやくオイルプレッシャー・ゲージが取付けられていた場所を発見。
ああ、折れた軸が残っているわ。
右シリンダーのカウリングは“ひしゃげて”(大きく変形の意)いるし右シリンダー・ヘッドの冷却フィンは折れてるし、
エキゾーストパイプの右側が曲がっていたり右排気管の取付ボルトが無くなっているという状況から、
右側からフォークリフトか何かで持上げようとして損傷させてしまったんじゃないかなあ。

折れ部 A
オイルプレッシャー・ゲージの取付け部 損傷させた時はこんな感じか

エンジンとミッションを分離するのに邪魔な周辺部品の取外しを進めよう。
ミッションケース右にあるスタータは、室内からのレバーにより機械式に噛み合いギヤを持上げ&導通させる構造、
こいつを取外しミッションケース上にあるキャブレターも取外す。おお、マイナスネジじゃないですか。
ミッションケース左にある燃料ポンプはガスケットを破損させちゃったけど、
ダイヤフラム式でレバーを押してみるとパスパスと空気が押し出されるので正常に作動しそうな感じ。

スタータ キャブポンプ
スタータです 左:燃料ポンプ  右:キャブレター

ミッションケース後ろの直流発電機を取外してVベルトを外そうとするが、ケースと干渉してプーリから抜けず。
マニュアルでは“プーリ締付けナットのカシメを外しプーリと共に抜き取り”との指示、最悪だねえ。

うしろ ベルト
直流発電機を回すベルト ベルトを抜く隙間が無い!

いよいよエンジンとミッションを分離。締結部のナット4本は全てスパナしか入らないスペース、
そろそろ難作業にも驚かなくなってきた。
ナットを外してからミッションを抱え上げて「よいしょ!」の掛け声と共にエンジンから引き剥がしたのであった。
ガスケットが無く水抜き穴があるってことは、クラッチハウジング内に水が入っても良いという思想だったのね

抱え
「よいしょ!」
エンジン ミッション
クラッチカバーです 汚れたクラッチハウジング内

クラッチハウジング内はダスト汚れで真っ黒、でも思ったよりも状態は悪くないかも。
分離が成功したから今日の作業はお終い、全景が判るように並べて記念撮影、パチリ。

全景



さあ次は、不動のミッションへ挑むか。

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