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「健康診断」 |
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部室に運び込まれた三輪車、お約束の健康診断といきましょうか。
昔の“働く車”、特に軽の商用車の場合は何故か若草色とも呼ばれた薄黄緑色が標準色の様に
塗られていたのだが、この車も御多分に漏れず元の色は若草色で、その上から赤茶色が吹付けられている。
雑な再塗装ながらも意外に凝った塗り分けをしていて、ベンチレーションの蓋や荷台の枠は白色なのさ。
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ホイールに残る色褪せた「若草色」 |
荷台の枠は鉢巻状の白ペイント |
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それにしてもフロントに残っていた「コニー」のエンブレムは泣かせるなあ、こいつが残ってるのと無いのでは大違いだから。
しかし黒地に白文字なのは初めて見た、カタログや博物館のは白地に赤文字だからね。 |
黒い楕円地に白文字でコニー |
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カタログは白地に赤文字 |
日本自動車博物館も白地に赤文字 |
外観をチェックすると、ライト周りのフィニッシャーとライト後ろのパネルが紛失しちゃってる。
“かつおぶし”状のフロントウインカーにはレンズが無く、
荷台で1個だけ発見できたのは樹脂板を貼り合わせた手造りレンズだった。
フロントサスペンションのブーツは“溶けて”喪失。
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オレンジ色の樹脂板で貼り合せ工作 |
ブーツが無いから剥き出しのピストンロッド |
タイヤは相応にヤレているが低速なら走れそう、但し右後輪だけは永年の潰れで割れちゃってて
おまけに充填した空気もすぐ抜けちゃうからチューブもダメっぽい。
右側のみのアウトサイドミラーは鏡面が無くステーだけの状態。
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400-16-6PRIって、まだ入手できるのかなあ |
哀れ、棒が残るのみ |
キャビンを覆う黄色い幌は綺麗でしっかり感も残っており、交換してからあまり使われてないみたいだが、
こいつもカタログや博物館のと形が違っていてオリジナル品なのかがちょっと疑問。
荷台の柵に括り付けてあった物体は、ドアの枠のようだが形状が全く合わない、これも怪しい。
リヤ回りの部品に紛失物は無いように見えるが、左右の丸いウインカーってこれが標準品なのだろうか?
外回りの欠品は他に見当たらないし、大きな破損も特に無いようだ。
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ドアに当ててみたが、どうやっても合わない |
オリジナル品か?なんか怪しい・・・ |
運転席ドアを開けると目の前にはフレームにリペット止めされた車両型式プレートが完全な形で残っていた。
室内をチェックすると、メータやスイッチ類は一通り揃っているだが大事な大物が足りない。
シートのクッション&バックが左右席共に空っぽでミッドシップのエンジンが顔を覗かせているのだが、
はてシートはどこに?
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昭和36年式か、半世紀程前になるね。 |
3連メータとCONY文字が残るハンドル |
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シートが無い! |
運転席下にぶら下がっていた黒い塊、何だろう??? |
室内の真ん中で前方へ曲がって“生えている”シフトレバー、いかにも操作性が悪そうだねえ。
どれどれとノブを掴んで動かそうとしたのだが、グラグラするだけで全く動いてくれない、
壊れているかもしれんと憂鬱な気分になるが、まあいいや。
シフトレバーの傍にもう一本レバーが見えるが、何だこりゃ?ハンドブレーキでもないし、
間違ってもデュアルレンジ用や4WD切替レバーじゃあ有るまい、
レバーの先はと辿ってみるとエンジンのスタータモータへと繋がっていた。
どうやらレバーを引っ張り上げるとその先端でスタータのスイッチを押す仕組みらしい、
何故こんな構造にしたのか判らんが凝ってるねえ、じゃあハンドル横のキーは電源をONにするだけなのか。
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真ん中辺にあるL字型のレバーがスタータ |
レバーの先端が出っ張りを押すみたい |
レバーの横を通るエンジンの吸気ダクトは筒状でフロントカウル内まで延びているのだが、
そこから左側へ曲がって最終的には助手席足元の室内から吸入、これはカウル内から吸って
不具合でも出したから対策でこんなことになってしまったのだろうか。
エンジンのすぐ横を通っている棒は後輪ブレーキのものだが油圧パイプじゃなくロッドなんだよね、
油圧式じゃないからAF7の様に苦労しなくても良いね。
じゃあ前も当然同じかと思いきや、ありゃりゃ前輪はブレーキが無いじゃん!
これで大雑把な状況は掴めた、やはりシフトレバーが動かないのが気になるから早く確かめたい。
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ということで、やる気満々のまま次回へ続く。