レストア物語ヘッダー
+ 第9話 + 「見栄え品質向上」



そして1ヶ月後、届いた調色缶スプレーを塗る気満々で部室へ持ち込んだクラブ員だったが
パテ盛り部の仕上りが気に入らず再度やり直しに。
しかしパテを盛って削るを繰り返しても凹が完全に消えなくて、いつまで経っても綺麗な面にならない。
数回繰り返したところで、いつもの“まあ良いか”となって塗装へ。

ここは腐食で表面が荒れてる部分 鉄板が繋いである部位も気になる
ここは腐食で表面が荒れてる部分 鉄板が繋いである部位も気になる

今回の塗装手順だけど、ホームセンターで入手した塗装補修の解説書に従って進めることに。
<塗装手順>
 (1)前処理:剥れ塗膜除去、鉄板表面研磨、脱脂、プライマー、サフェーサー
 (2)前仕上:ペーパー研磨、コンパウンド研磨、脱脂
 (3)塗装:ボカシ剤、カラー塗装、クリア塗装、ボカシ剤
 (4)乾燥・・・1week
 (5)仕上:コンパウンド(シート→極細→液体)

解説書で紹介されていた道具は事前に揃えておい 解説書で紹介されていた道具は事前に揃えておい
解説書で紹介されていた道具は事前に揃えておいた

既に(1)の前処理は終わったので(2)の前仕上へ。
プラサフ研磨は#1000番のペーパーを使用し、更に細目コンパウンドで研磨してからシリコンオフで脱脂。
なぜここで塗るのか解らんなあ、なんて思いながらもボカシ剤を塗布して、いざ塗装へ。

そう言えば調色缶スプレーの業者から、いくつかのアドバイスを貰ったんだった。
  • 塗料は1分ぐらいで乾く速乾タイプ
  • 塗装は3回ぐらい塗ってクリアで仕上げる
  • 色が付けばOKなので垂れるの避けるなら色付きする程度の吹付けでも良い
  • クリア前の塗装面は仕上げ処理不要
  • クリア後の面は艶が必要なら磨きあげる
  • ゴミが付着したら#1000番ペーパーで仕上げる
  • 使用する季節に合せて気温23℃~30℃ぐらいで塗れるよう調合しておいた
というわけで、アドバイスを守ってスプレー塗装開始。

厚塗りして垂れないよう慎重に繊細に丁寧に 新人くんの手慣れた手付きに感心!
厚塗りして垂れないよう慎重に繊細に丁寧に 新人くんの手慣れた手付きに感心!

やはり業者さんに言われた通り1本の缶では足りずに2本目を半分ぐらい使用して完了。
解説書に従ってクリア塗装とボカシ剤を塗布して(3)を終了、次回1ヶ月後の作業時までが(4)の乾燥ですな。

クリアは垂れるぐらい入念に吹付け 綺麗に塗れたから、このまま乾燥へ
クリアは垂れるぐらい入念に吹付け 綺麗に塗れたから、このまま乾燥へ

さて1ヶ月後、(5)の仕上としてコンパウンドシートを手始めに極細コンパウンド、液体コンパウンドと進めていく。
すると解説書通りに艶が・・・、いやいや全く出ない!いつまで磨いても艶なんか出てこないんだよねえ。
手作業じゃあ駄目かもと電動で回転するワックス塗り機を使用して磨いてみたのだが、やはり艶は出ないまま。
参ったなあ、解説書通りなんだけど何が間違っているんだ?
結局その日の作業は艶を出せないまま終了、次回までにどうするか考えてこようという事で解散。

艶が出なかったのは塗装後の表面を仕上げなかったせいか?いやいやその上からクリアを吹付けているので
塗装面の凹凸は埋まるから関係無いはず。じゃあクリア後にその表面を仕上げないのがマズいのか?
クリア後の表面って滑らかじゃなくて飛散したクリアで表面がザラ付いていたが、それをそのままにして
コンパウンドへ進んでしまって本当に良かったのだろうか。
なんか考えれば考えるほどペーパーでの仕上げが必要な気がしてきた、ちょっとやってみるか。
1ヶ月後の作業日には念のため3種類のペーパーを用意、#1000番→#1500番→#2000番と研いでいくうちに
今までにないぐらいスベスベの面となってきた。
フェンダーを車体へ仮止めしてから電動ワックス塗りを使って最終仕上げのコンパウンド磨き、
コンパウンドシート→極細コンパウンド→液体コンパウンドと進めた結果、見事に艶出しが出来た!
後日社内で聞きまわってみると、クリア表面をペーパーで仕上げるのは常識だそうな。知らなかった・・・

車体へ組付けた方が磨き易いからね 省エネ、省労力化で電動工具が大活躍
車体へ組付けた方が磨き易いからね 省エネ、省労力化で電動工具が大活躍

さあこれで最も酷い塗装剥れは直った、まだ他にも小さな剥れはあるけれど何とか見られる姿にはなったので、
取り外していたヘッドライトとウインカーそれにバンパーを戻して再走行に向けて準備をするかい。

ライト類の結線も簡単に出来ます 最後にバンパーを組付けて完成へ
ライト類の結線も簡単に出来ます 最後にバンパーを組付けて完成へ
綺麗になりました!
綺麗になりました!

見栄えが良くなって俄然やる気が出てきたクラブ員達は、復活へ向けてブレーキフルード漏れ&燃料漏れの
難題に取り掛かるのであった。



つづく

<AF7 コニー編>第二部
第8話へ
<AF7 コニー編>第二部
第10話へ