レストア物語|RESTORATION STORY

第23回 「健康診断」


トヨタ博物館から貰ってしまったAF11コニーワイドトラック、こいつは以前に見た覚えが。
やはりそうか、20年ほど前に愛知機械工業で開催された「愛知テクニカルフェア」へ持ち込まれた個体じゃないですか。

<AF7 コニー編>第一部の「No.31」で紹介 <AF7 コニー編>第一部の「No.31」で紹介

学芸員さんに経緯を聞いたところ、オーナーさんが亡くなられて遺品を託された方から車両数台の寄贈を受けたが
このAF11は博物館展示が出来ないため、生まれ故郷へ里帰りさせるのが最適と考えて声を掛けて下さったそうな。
ああ、オーナーさんはまだ若かったのに亡くなってしまったのか…
確か当時、「レストアしてエンジンは掛かるけどブレーキが駄目でね」なんて話しをした覚えが。
これも何かの縁なのかな、元オーナーに代わってブレーキを直して走れるようにしてあげたいものです。

さて、まずは恒例の健康診断から始めますか。

リフトで上げて状態をチェック 外観は下回りも含めて特に問題無さそう 内装も欠品は無く程度良好ですな
リフトで上げて状態をチェック 外観は下回りも含めて特に問題無さそう 内装も欠品は無く程度良好ですな

外観も内装も問題なし、じゃあエンジンの状態を見てみようか。
エンジンオイルは汚れも無く綺麗、でも念のために交換。点火プラグはピカピカで未使用っぽいからそのままに。
キャブレターを開けてみたらフロート室に堆積物を発見、分解して超音波洗浄か。もちろんガスケットは作り変えですな。

荷台にはキャブ専用の点検口あり キャブをエンジンから取り外して分解 フロート室にはピンクの堆積物
荷台にはキャブ専用の点検口あり キャブをエンジンから取り外して分解 フロート室にはピンクの堆積物

ちょっと気が早いかもしれないけど、エンジン始動の準備へ。
落下式燃料タンクを使用してガソリンを供給、あれれスターターは回るがエンジンは掛からずか。
火花が飛んでいないのでヒューズをチェック、切れていた管ヒューズを交換し錆びた接点を磨いてみたがダメだねえ。
コイル、デスビキャップ、ローター、プラグコード、プラグと次々に手持ちの物と交換してみるが変わらず。


ヒューズは運転席足元、8Aを使ってる! バッテリーを繋いで始動準備完了 手持ち品を並べて、取っ替え引っ替え
タイミングライトが点灯しないんだよね コイルやポイント、デスビもチェック 配線の取り回しや断線もチェック

デスビを外して取り付け直しているうちに、なぜかエンジンが掛かってしまった。デスビ取付部の導通不良だったのか?
数十年ぶりだと思うけど、エンジン始動に成功!

次はガソリンタンクから燃料を供給してみるか、たぶん燃料ポンプの修理が必要だろうけれどAF7で経験を積んでいるからね。



次回に続く。

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