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第13回 「荷台降ろし」


シャシーから荷台を降ろすには、パーツリストに従って荷台を固定しているボルトを10本ぐらい外せば良いらしい。
荷台前端部はキャビン内、ちょうどシートが無いので丸見えのはずだが・・・ボルトが無い!
無い?あらら固定部分の鉄板が千切れ飛んでいて、溶接で荷台をシャシーへ直付けしてあるじゃないかい。
荷台後部も直付け溶接してあるが、こっちは荷台を支えるためのL型アングル材を追加溶接してある。

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ボルトは全て紛失 荷台を支える&固定のためか?


エアサンダーを使って溶接部を剥して荷台をシャシーから降ろしたあと、やっつけで追加されていた
L型アングル材も取除いて、剥き出しとなったフレームと降ろした荷台を観察。
フレームは“コの字”型の断面か、閉断面にして強度を確保しなくても許されたのかな。
このフレーム構造についてクラブの“智恵袋氏”曰く、「強度最適解は、平面で三角型のフレームになるはずなのに、
ラダーフレーム(はしご形)なんだ、製造工程優先にしたんだね」だそう。なるほど、造り易さ優先か。
シャシーへの荷台固定部分が薄板の鉄板一枚だし、酷使される商用車としてはちょっと辛い構造かな。

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荷台が無いと、カマキリみたい “コの字”型断面のフレーム
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走行中に脱落したかもしれない荷台


錆と埃で覆われたフレームを綺麗にしてあげるため、エアサンダーとワイヤーブラシでお掃除開始
おお、助手席の下辺りに車台番号が刻印されているのを発見!

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錆と埃で気付かなかった 61-AA27-7270と読み取れますな


後輪の懸架部分はそのままにして、簡単に外せる小物部品だけを取外してフレームのお掃除。
さすがに穴が開くほど腐食していた部分は無かったので、削るだけ削ってプラサフを塗ってから
シャシーブラックで塗装しておいた。

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まあ、こんなもんか。 それらしくなってきた


綺麗になって良かったんだけど、あそこがどうにも気になってしまう。
助手席下のフレームに切込みを入れて曲げてある所があって、粗末な仕上げだし
どう考えても強度上そこを切断するのは不利としか思えない。何か部品を付けるためなら補強を入れるはず。
パーツリストを見てもそこには部品の取付けは無し、えーい戻してしまえ。
切り曲げ部分を持上げて、溶接して修復完了。

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気になる切り曲げ部
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鋸刃での切込み形状がクッキリ 溶接して修復


これでフレームの中央部分は終了したんだけど、運転席のフロア修復は先送りしてしまった。
腐食が酷い薄板の鉄板はペダル取付け部に剛性不足からのクラックが入っているし、
最悪なのは フレームに溶接されていてシャシーと一体化しているので、取外しての修復は困難だということ。
どうやって修復するか、じっくりと熟考して決めねばならない。

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クラック&錆穴 フロア以外は終了 助手席側も同じく


あとは助手席の下から外したバッテリー置きも修復しておいた。
下面への吊下げだから、どうしても雨水を溜めてしまう構造ですな。

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作業開始から早くも1年が経ってしまった、達成感が無いとやる気が継続し難いのだけれど、
大物であるフレームの作業に取り掛かった事で良い気分転換になった。
さて、次へいきましょうか。


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